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【情報Ⅰ#95】ユニバーサルデザインとは?例を挙げて授業内容を徹底解説!|情報1の授業動画【高校・共通テスト対策】

  • 前回は、情報デザインについて説明しました。 情報デザインとは、必要な情報が効果的に受け手に届くように、情報をわかりやすく整理する手段のことです。 代表的なものとして、2021年の東京オリンピックでも話題になった「ピクトグラム」があります。これは、言語表記がなくとも、伝えたいメッセージの本質を捉えて表現できる記号です。また、ピクトグラムの乱立を防ぐ目的として、日本の産業製品生産に関する規格であるJISで制定された記号として含まれるものもあります。
    そして、世の中に無数に存在する情報は、「場所(Location)」「文字順(Alphabet)」「時間(Time)」「カテゴリー(Category)」「階層(Hierarchy)」の5つに分けることができ、「究極の5つの帽子掛け」と呼ばれている、とお話ししました。 今回は、全ての人のためのデザインを意味する「ユニバーサルデザイン」について、学んでいきますよ。

①ユニバーサルデザインとは

  • ユニバーサルデザインとは「文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障がい・能力の違いに関係なく利用することができるように工夫されたデザイン」のことです。
  • なんとなく、情報デザインと似てるね?
  • そうですね。簡単に言ってしまえば「良い情報デザイン」=「ユニバーサルデザイン」ということになりますね。 ユニバーサルには「普遍的な、全体の」という意味がありますので、「全ての人のためのデザイン」ということになります。 元々は「障がい者」や「高齢者」などにも使いやすくという考え方が浸透していたのですが、そのような人たちだけでなく、「全ての人が快適に利用できるデザイン」を目指すのが、ユニバーサルデザインの本質と言えます。
    ユニバーサルデザインは、頭文字を取って「UD」と呼ぶことも多いので、覚えておきましょう。

②アクセシビリティとユーザビリティ

  • ユニバーサルデザインを考える上での指標が2つあります。それが「アクセシビリティ」と「ユーザビリティ」です。 まず、アクセシビリティは「全ての人が、サービスを利用できるかどうか」という視点になります。簡単に言うと「誰でも使えるか?」ということですね。 一方で、ユーザビリティは「特定の人が、サービスを利用しやすいかどうか」という視点になります。簡単に言うと「使いやすいか?」ということですね。 特定の人というと抽象的ですが、ビジネスにおいては、ターゲットユーザということになります。
    例えば、スターバックスであれば、来店比率の高い20代・30代の女性ということです。 まずは、アクセシビリティから考えてみましょう。
    特に「障がい者や高齢者など障壁によって制限を受ける人であっても、障壁を取り除いて使いやすくしているかどうか」という視点が大切になります。 iPhoneの設定にはアクセシビリティという項目があり、小さな文字が見えづらい人のためのズーム機能や、視力が弱い人のための読み上げ機能などもあります。 このように、高齢者や障がいを持った方でも、コンピュータ等の情報機器を利用できるようにする機能のことを「情報バリアフリー」とも呼びますので、覚えておきましょう。 次に、ユーザビリティですが、これは「特定の人が、サービスを利用しやすいかどうか」という視点が大事になります。 アプリを使っているときに、「ボタンが小さすぎて押しづらい」「次にどこを押せば良いか分からない」といった経験をしたことがあるかと思います。 そういったことが無いように、分かりやすく且つ使いやすくするのが、ユーザビリティの考え方なのです。

③UI

  • ユーザビリティを考える上で、おさえておくべきポイントとして、UIが挙げられます。 UIとは、ユーザインタフェースの略で、直訳すると「ユーザとの『境界線』や『接点』」ということになります。 コンピュータやスマホ等の情報機器とユーザとの境界線や接点のことです。 このUIも、コンピュータの歴史とともに年々進化してきています。
    1970年代は、コンピュータは真っ黒い画面にコマンドを打ち込んで命令をするCUIが一般的でした。 CUIは(キャラクタ・ユーザインタフェース)の頭文字を取ったもので、キャラクタ=文字がコンピュータと人間との接点だったわけです。 しかし、1984年にAppleのスティーブ・ジョブズは、一般的にコンピュータを浸透させようと、画面上に表示されるウインドウやアイコンを操作するGUI(グラフィカル・ユーザインタフェース)コンピュータ「Macintosh」を発売しました。 視覚的な操作で、誰でも簡単に扱えるようになったことから、DTPを行うデザイナーやクリエイターから絶大な支持を得ることに成功します。
    突然ですが、ここで問題です。
Q.初のGUIコンピュータであるMacintoshの発売と同時に、あるものが発明されました。それは何でしょう?
A.マウス
  • CUIは文字入力のみでコンピュータに命令するため、キーボードだけで操作していました。
  • それまではマウスなしだったんだ!不便そう。
  • GUIから、マウスでアイコンを動かしてクリックして命令するといったことができ、操作性を上げる要因になったと言えるでしょう。 それから約10年後の1995年に、MicrosoftがWindows95を発売しました。 名前の通り、ウインドウによる視覚的操作を可能としたGUIですが、デザイナー、クリエータ指向が強かったMacintoshに対し、Windowsは、WordやExcelなど、多くの人が使う実務的なソフトに重きを置き、またインターネットにも対応したことで、オフィスでもプライベートでも使えると一大ブームを巻き起こします。 CUIとGUIでどのくらい操作性が違うのかは、動画のほうで説明しているのでそちらをご覧ください。
    また、現在ではNUIが主流となってきました。 NUIは(ナチュラル・ユーザインタフェース)の略で、スマートフォンなどのタッチ操作や、スマートスピーカーなどの音声認識など、人間の動作によってコンピュータを操作できるインタフェースです。 このように、UIが進化していくことで、コンピュータの操作性が上がり、ユーザビリティが改善してきたことがお分かりいただけるかと思います。 また、Web制作やアプリ開発の業界においては、さらに踏み込んで、⾒た⽬のデザインや、要素そのものを操作したときの使いやすさ、 情報が整理されているかなどのわかりやすさといった意味も含めて「UI」という言葉を使っています。 例えば、ネットショッピングにおいて、購入ボタンの位置、色、大きさ、中の文字を変えるだけで、購買率がかなり変わってくるのです。 少しでも購入率を上げるため、いかにユーザに寄り添って、使いやすく操作性の高いデザインにするかが、UIを考える上で重要なことなのです。

    さて、2回にわたり、情報デザインについてお伝えしてきましたが、大事なことは、「いかに相手の立場に立った、思いやりのあるデザインができるか」ということです。 ユニバーサルデザインを生み出したアメリカのロナルド・メイスは「使う人に合わせてデザインをするユーザ中心のデザインこそが本来のユニバーサルデザインである」と言っています。 そして、数多くのアプリやショッピングサイトが存在する今日において、この考え方は非常に重要で、デザイナーの最重要評価指標にもなっています。

まとめ

  1. ユニバーサルデザインとは「文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の違いに関係なく利用することができるように工夫されたデザイン」のことを言う。
  2. ユニバーサルデザインを考える上での尺度として、アクセシビリティとユーザビリティの2つがある。
  3. いかに相手の立場に立った、思いやりのあるデザインができるかが、情報デザインを考える上では重要である。