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【情報Ⅰ#91】マスコミュニケーションを詳しく解説!!|情報1の授業動画【高校・共通テスト対策】コミュニケーションとメディア

  • 前回は、通信の進化について説明しました。 通信は原始時代から存在しており、貴重な情報を人同士で伝達することを、通信コミュニケーションと言います。 情報の伝達手段は時代とともに進化していき、狼煙や伝書鳩を用いた方法から、腕木通信、モールス信号と発展し、より便利に且つ速くやりとりができるようになっていきました。 そして、通信にコンピュータが使われるようになると、1対1での通信だけでなく、広範囲に情報を発信できるようになったのです。 今回は、1対多に情報を発信できる、マスコミュニケーションについてお話ししていきます。

①マスコミュニケーションとは

  • 前回紹介した電話などの通信は、情報の送り手と受け手が1対1の通信でしたね。 しかし、時代が進むにつれて、1つの情報を一度に多くの人に届ける必要性が出てきました。 このように、一度に多くの人に情報を送る通信のことを、コミュニケーションという言葉に、大衆という意味のマスを付けて「マスコミュニケーション」と言います。 そして、マスコミュニケーションを行うためのメディアを「マスメディア」と呼びます。

②マスメディアの進化

  • 通信の進化はメディアの進化と共にあることは前回お伝えした通りですが、マスコミュニケーションの進化においても、マスメディアの進化が欠かせません。 世界で最初のマスコミュニケーションは、出版だと言われています。 1445年頃、ドイツのクーデンベルクが活字を用いて印刷を行う「活版印刷」を発明したことがきっかけで世界に広まったそうです。 その発明により出回った数多くの書物が、人々の知識欲を満たし、情報を広め、ヨーロッパにおけるルネッサンス、宗教改革、近世社会の到来に大きく貢献したのです。 また、現在では、パソコンを利用して多くの書物が作成されています。このことをDTP(Desktop Publishing)と呼びますので、用語として覚えておきましょう。
    次に、大衆向けのマスメディアとして誕生したのがラジオです。 1906年に、アメリカでラジオ放送が実験的に始まりました。
    その後、1928年にテレビ放送が実験的に始まり、日本でも太平洋戦争終了後の1953年に大衆向けのテレビ放送が始まりました。 当時、テレビは高価な品物でしたが、それが一般家庭で持てるようになると、テレビ放送で商品を宣伝するCMが始まります。 このように、マスメディアは大衆向けに情報を伝えるだけでなく、企業が自社の商品を宣伝する目的でも使われるようになりました。 このとき、主に広告として使われたマスメディアのうち、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4媒体のことを、4マスと呼んでいます。 4マスは、自社の商品を一度に多くの消費者に情報伝達できるため、製品やサービスの認知段階においては非常に大きな効果をもたらすことができる一方で、広告費が高く、個人は4マスを使った広告を行うことは難しい時代でした。 しかしインターネットにより、通信の流れが大きく変わります。 それまで企業→個人という、1対多の一方通行の情報発信だったものが、誰でも手軽に、しかも安価にWebサイトやブログ、SNSや動画配信サイトなどを通じて情報を発信できるようになったことで、不特定多数↔不特定多数という双方向の通信が可能となりました。

③メディアの性質

  • このように、今では様々なメディアを、誰もが手軽に利用できる時代となりました。 そして、メディアの性質を理解した上で、広報する際にどのメディアを選択するのかということも大事です。 それでは、選定を行う上で、おさえておいてほしい性質をいくつかご紹介します。
・速報性:情報をいかに早く伝えられるかという性質です。例えば、新聞の場合、前日に起こったニュースを翌日の朝に伝えられます。一方で、テレビやラジオは起こったニュースを即座に伝えることが可能です。WebサイトやSNSも速報性は高いですね。 雑誌やポスターは記事を書いたり、デザインしたり、印刷するといった工程が重なるため、速報性はかなり低くなります。

・発信範囲:発信した情報を受け取れる人の範囲のことです。テレビやラジオ、新聞などは、主に国内や国内の限定的な地域の範囲に情報発信が可能ですが、インターネットを使ったWebサイトやSNSは世界中のどこへも発信が可能なメディアです。

・費用:情報を配信するのに必要な費用のことです。一般的なテレビやラジオでCMを流す場合には、1回につき1万円~100万円くらいの金額が必要です。一方で、インターネットで広告を配信する場合、自分でWebサイトを掲載する場合はほぼ無料で行えます。SNSでの広告も、1回につき数十円単位で手軽に行うことが可能です。

・発信形式:文章、画像、動画の何を使って配信するかです。例えば、新聞や雑誌では、文章と画像を使って配信します。テレビは動画ですね。WebサイトやSNSでは文章、画像、動画の全てを使って配信できますので、様々な表現が可能となります。
  • 以上を、動画内でマトリクス表にまとめてみました。
  • SNSって、まるでぼくみたいにめっちゃ優秀じゃね?
  • ぐらみん君が優秀かどうかは置いておきますが、WebサイトやSNSは全てにおいて優れているように見えます。 だからといって、なんでもかんでもインターネットを使った広告を行うのではなく、このようなメディアの性質を理解し、何のメディアで告知するかを考えることが重要なのです。
    例えば、とあるクラブ活動の発表会の開催を、その学校に通う生徒に伝えたい場合。インターネットで告知しても、それを生徒が知らなかったり、見てもらえなければ意味がありません。 それよりも、簡単なチラシを使って下校時に生徒に配ったり、ポスターを校内に掲示した方が、認知度が高い場合もあるのです。
  • なるほどね。

まとめ

  1. 一度に多くの人に情報を送る通信のことを「コミュニケーション」という言葉に、大衆という意味の「マス」を付けて、「マスコミュニケーション」と言う。
  2. マスコミュニケーションを行うためのメディアを、「マスメディア」と言う。
  3. メディアにはそれぞれ性質があり、その性質をおさえて、効果的なメディアを選択することが大事。