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【情報Ⅰ#57】ビットとバイトの計算や覚え方とは?情報量の単位|情報1の授業動画【高校・共通テスト対策】プログラミング

  • 前回は、アナログとデジタルの話をしました。 デジタルとは情報を0と1の値による符号にして表す情報処理方式のことを言い、デジタルデータは画像や音声、映像などを全て0と1だけの符号にして表現します。 また、デジタル化することで、ノイズの影響を抑えたり、同一のメディアで記録できたり、複製や加工も簡単に行えるようになるということもお話ししましたね。 本日はデジタルデータで使用する単位、ビットとバイトについてお話しします。

①bitとByte

  • 前回お伝えした通り、デジタルデータでは動画も、画像も、音声も、0と1だけで全てを表現できるのが特徴でしたね。 簡単な画像を例にして、どのように表現するのかについても説明しました。 前回お伝えした通り、0・1の組み合わせをビットと言う単位を使って表現します。 例えば、最初の1マスに0・1の組み合わせを一つだけ使う場合は、2パターンなので1ビット、同様に0・1の組み合わせを2つ使う場合は2ビット、3つ使う場合は3ビットとなります。 そして、このように1マスに使用するビット数を増やすことによって、使える色のパターンも増えていきます。 1ビットの場合は白と黒の2パターンのみでしたが、2ビットにすることで4パターン、3ビットにすることで8パターンと増えていきます。 また、このように、1マスに3ビット、それを6マス分表現するには18ビットを使うことになりますよね。 ちなみに、皆さんがスマホで撮影した画像であれば、平均して1枚あたり800万ビット、つまり800万個の0・1の組み合わせで表現されているのです。
  • へぇ、そうなんだ!
  • このように、何万、何億と大きいデータであれば、単位に分けて管理したほうが簡単になります。 例えば重さの場合、g(グラム)という単位を使っていますが、軽量の重さを測る単位としてmg(ミリグラム)という単位があります。お米のひと粒が約20ミリグラムと言われていますね。 また、体重の場合にはKg(キログラム)、象やカバのように大型の動物の場合にはt(トン)という単位を使いますね。 これと同じようにデジタルデータの量を測る場合にも単位を使って表現します。 大前提として、デジタルデータは0・1の組み合わせから成り立っていますので、この組み合わせがいくつあるかという単位になります。 まず、最小の単位が1つの0・1の組み合わせであるbitです。例えばこの場合は3bitとなります。 次の単位が8つの0・1の組み合わせの単位であるByteです。つまり、8bit = 1Byteとなります。 例えば、10101001のように0・1の組み合わせが8パターン(8bit)ある場合には1Byte、倍の16パターン(16bit)であれば、2Byteとなります。
  • ねぇ、分かりやすく10bitにすればよかったんじゃね?なんで8なんて中途半端な数字で区切ったわけ?
  • これはコンピュータを発明した人が決めたことなので、諸説あります。 前回、赤、緑、青の色を表現するために、1マスに0・1の組み合わせを3つ使うと話しました。このように0・1の組み合わせをいくつかセットで考えることが多かったのです。 そのセットで考えた場合、1セット8つの組み合わせにするのが、文字や画像、音声をデジタル表現するのに一番適していると気付いたからと言われています。 よく分かりました! 語源は日本語で「一口」を英語にしたBiteから由来しており、bitと混同しないようにByteというスペルにしたそうです。

②デジタルの単位

  • さまざまな単位の表示ですが、キロはk、ミリはmとアルファベット1文字で表示しますよね?bitとbyteの場合、どちらもbで始まるため、bitの場合は小文字のb、Byteの場合は大文字のBで表現します。 そして、次の単位はKB(キロバイト)です。 1000gで1Kgだから、1000Bで1KBって考えればいいんだよね? いや、そこがまたややこしいんですが、1000Bで1KBではなく、1024Bで1KBとなります。 はにゃ? 説明すると、2のべき乗で1000倍に一番近いのが「2の10乗の1024」なので、1KBは1024Bとしています。0と1だけで全てを表現するデジタルの世界では、2のべき乗で単位を決めたほうが無駄がないのです。 これに関しては、2進法の知識が必要なので、次回以降の用語解説動画で説明します。 では、この1KBがどのくらいなのか。Wordで作ったA4用紙 1枚分のレポートで、大体30~50KBくらいとなります。 例えば、30KBのWordファイルの場合、30×1024 = 30720Bとなります。ここで気を付けてほしいのが、bitではなくByteになるので、ここからさらに8を掛けます。 30720×8=245760。つまり、たったA4 1枚のレポートでも245760個の0・1の組み合わせから成り立っているということなのです。 次の単位はMB(メガバイト)です。1MB=1024KBとなります。ここでも1000KBではなく、1024KBとなりますので、気を付けてください。 MBという単位は、日常でもよく使われています。 皆さんがスマホで撮影する写真は、画質にもよりますが、1枚あたり約1MBとなります。 また、撮影した写真データをCDに保存することがありますが、CD1枚辺りの容量は700MBですので、1枚のCDには約700枚の写真を保存できるということなのです。
  • ふーん、なるほどね。
  • 次の単位がGB(ギガバイト)です。 GBも日常でよく使われますよね?最新のiPhoneが発売されるとき、128GBタイプ、256GBタイプ、512GBタイプと分かれているかと思います。 これは、画像や動画、音楽などを沢山保存する人ほど容量をたくさん必要とするので、タイプが分かれています。
  • このタイプの分け方も中途半端な数字だよね?
  • はい。そのとおりです、これは2の7乗が128、2の8乗が256、2の9乗512なので、このような区切りにしています。 また、DVDには2種類あり、1枚で4.7GB保存できるタイプと、8.5GB保存できるタイプがあります。 映画1本は約6GB程度の容量を必要としますので、映画はDVDに保存して販売するのが適していると言えるでしょう。 次の単位は、TB(テラバイト)(=1024GB)です。こちらも時々聞きますよね。 iPhone13で初めて1TBタイプが発売されました。 また、最近発売されているパソコンでは、記憶容量として数TBのハードディスクを搭載しているタイプも増えてきましたね。 この後は、PB(ペタバイト)やEB(エクサバイト)という単位もあります。 あまり聞き慣れない単位ですが、デジタルの世界ではデータ量も年々増えていますので、そのうちよく聞くことになると思います。 今回の単位を分かりやすくマトリックス表にまとめておきましたので、こちらは必ず覚えておいてくださいね。

③bps

  • インターネットや携帯電話回線の通信速度を示すのに使われるのが「bps」という単位です。 bpsは「bit per second」の略で、1秒間当たり、何bitのデータを送受信できるのか?ということです。Byteではなく、bitの単位になりますので、気を付けてください。 auひかりやドコモ光などの大手の通信回線では10Gbpsの超高速通信プランが提供されています。 この場合、10Gbitのデータを1秒間で通信できるということですが、これは最大速度であり、通常の速さはこの10~50%くらいの速度になります。
  • それって詐欺じゃね?
  • いえ、利用する場所や、そのときの混雑具合によって、どうしてもそのくらいに落ちてしまうのです。 広告に記載されている速度を最大通信速度というのに対し、実際の速度を実効速度と呼びます。 昔からインターネットを利用している人にとっては、もはや常識的なことですが、やはり消費者の誤解を招くということで、2015年より総務省が定めたガイドラインに基づき、どの程度速度が落ちるかを計測して、実効速度を公開することとなりました。 そのため、現在では各通信業者のWebサイトを見れば、実効速度がどの程度かが分かるようになっています。 では、10Gbpsで、実行効率が10%の場合はどのくらいの速度でインターネットを閲覧できるでしょうか? 10Gbitをまずはバイトに変換しましょう。1Byte=8bitですから、8で割れば良いので、10Gbit / 8 = 1.25GBとなります。そして1.25GBの10%なので、0.125GBつまり125MBとなります。 よって、毎秒125MBの通信ができるので、6GBの映画をダウンロードする場合には、6144÷125=49.15となり、1分弱でダウンロードができる計算となりますね。 最も通信速度を必要とするオンラインゲームをする際にも50Mbpsあれば、十分快適にプレイができると言われていますので、10Gbpsの1/10となる1Gbpsでも十分すぎるくらいの速さと言えるでしょう。

まとめ

  1. 0・1の組み合わせをビットという単位で表す。
  2. 8bit = 1Byteで、そこからは1024倍ずつ単位が変わっていく。
  3. インターネットや携帯電話回線の通信速度を示すのに使われるのが「bps」という単位。
  4. 通信速度は場所や混み具合により、最大速度の10~50%程度の速度になる。これを実効速度と呼ぶ。