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【高校情報Ⅰ】論理回路(論理演算,否定論理積,否定論理和,排他的論理積)|共通テスト完全攻略勉強法_110

  • 前回は、ソフトウェアの説明をしました。 ソフトウェアとは、ハードウェアを制御するためのプログラムやデータのことを指します。大まかに分けると、オペレーティングシステムとアプリケーションソフトウェアの2つに分類されます。 さらに、インターネットを通じてソフトウェアを提供するサービスを指す「SaaS」と、外部のプログラムを利用するためのルールや規約の集まりである「API」についても、前回詳しく解説しました。
    これまでにコンピュータの仕組みや、5大装置の役割について学習してきましたが、今回は、CPUが担う重要な機能のひとつである「論理演算」について解説していきます。

①論理演算とは

  • 突然ですが、ぐらみん君は演算というと何を思い浮かべますか?
  • うーんと、「足し算」「引き算」「掛け算」「割り算」の、四則演算!!
  • そうですね。コンピュータも様々な処理を演算していますが、コンピュータは1と0の数字しか使えませんよね? そこで論理演算の話に戻りますが、論理演算とは、1と0、つまり2進数を使って行う演算のことを言います。

②基本論理演算

  • 四則演算では、例えば5+2=7のように、数字を用いて計算が行われます。 一方、論理演算は電気信号を使って計算を行います。 具体的には、電気信号を論理ゲートを使って受け取り、その結果に基づいて、電気を流すか流さないかを判断する演算方法が用いられます。 つまり、コンピュータは1と0の2進数を使っていますが、厳密には1と0の数字そのものではなく、電気が流れる状態を1、流れない状態を0として、電流の変化によって様々な処理を行っています。 このように2進数が使われる理由は、電気が流れる・流れない状態を明確かつ分かりやすく表現するためなのです。 論理演算において、電気が流れる場合は、日本語で「真」、英語で「True」、数字で「1」と表現されます。 一方で、電気が流れない場合は、日本語で「偽」、英語で「False」、数字で「0」と表現されます。 コンピュータは、電気信号を受け取り、その信号に応じて電気の流れを制御する処理を高速で繰り返します。これが「論理回路」の働きなのです。 ここでは論理ゲートにおいて、どのような演算を行っているか、基本となる論理演算を3つご紹介します。

    ①論理積
    論理積は、受け取る電気信号AとBの両方が真である場合にのみ、真を返す演算方法で、「AND」とも呼びます。 受け取る電気信号の組み合わせは4パターンありますが、その入出力関係をまとめた表を「真理値表」と言います。 また、この真理値表を図で表現したものは、動画を参照してください。この図の、AとBが重なり合う青い部分が対象の箇所となります。 この図を「ベン図」と呼びますので、この呼び方も覚えておきましょう。 論理積では「AかつB」や「A and B」という表現が用いられます。 例えば、Googleで「東京(スペース)ラーメン」と入力して検索すると、東京とラーメンの両方のキーワードを含む検索結果が表示されます。 その結果、「東京にある、かつ、人気のラーメン店」を検索することができます。

    ②論理和
    論理和は、受け取る電気信号AとBのいずれか、または両方が真であれば、真を返す演算方法で、「OR」とも呼びます。 真理値表とベン図は動画を参照してください。 論理和では「AまたはB」や「A OR B」という表現が用いられます。 例えば、Googleで「東京 OR ラーメン」と入力して検索すると、東京もしくはラーメンのどちらかのキーワードを含む検索結果が表示されます。※ORは大文字。小文字だとキーワードとして解釈されるため。 その結果、東京都庁や東京の新型コロナ感染者数といったラーメンとは関係のないページや、横浜や福岡のラーメン店のページといった東京とは関係のないラーメン屋が検索されます。

    ③否定
    否定は、受け取る電気信号をシンプルに反転させる演算方法で、「NOT」とも呼びます。 真理値表とベン図は動画を参照してください。 真理値表を見てわかるとおり、真なら偽、偽なら真と反転させていますよね。この反転という概念を持つと否定は簡単に理解することが可能です。

    この論理積、論理和、否定の3つを幾重にも組み合わせることで、コンピュータは様々な演算処理を行っているということなのです。

③論理演算の応用

  • では、ここでは基本的な論理演算を応用した3つの論理演算を紹介します。

    ①否定論理積
    否定論理積は、受け取る電気信号AとBのいずれかが偽であれば、真を出力する演算方法で、「NAND(ナンド)」とも呼びます。 まず、論理積の真理値表はこちらでしたよね。 勘の良い方はピンとくるかと思いますが、先程お伝えした「否定=反転」と考えれば、反転論理積となります。真理値表は、このように論理積の値を反対にしたものとなります。 ベン図においても、論理積のベン図を反転させれば否定論理積のベン図となります。

    ②否定論理和
    否定論理和は、受け取る電気信号AとBのいずれも偽であれば、真を出力する演算方法で、「NOR(ノア)」とも呼びます。 まず、論理和の真理値表はこちらでしたよね。 ここでも否定論理積と同様に考えれば、反転論理和となりますので、真理値表はこのように論理和の値を反対にしたものとなります。 ベン図においても、論理和の反転と考えれば、このようになりますから簡単ですね。

    ③排他的論理和
    排他的論理和とは、受け取る電気信号AとBのいずれか一方のみが真であれば、真を出力する演算方法で、「XOR(エックスオア)」とも呼びます。 排他的論理和のベン図は動画を参照してください。 真理値表での表現では難しそうに思うかもしれませんが、「1つだけが真のとき」とシンプルに覚えておけば大丈夫です。

    この論理積、論理和、否定の3つを幾重にも組み合わせることで、コンピュータは様々な演算処理を行っているということなのです。

まとめ

  1. 論理演算とは1と0の2進数を使って行う演算のことを言う。
  2. コンピュータは、電気信号を受け取り、その信号に応じて電気の流れを制御する処理を高速で繰り返す。これを論理回路と呼ぶ
  3. 基本となる論理演算は、「論理積」「論理和」「否定」で、それを応用したものが、「否定論理積」「否定論理和」「排他的論理和」である。