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【高校情報Ⅰ】記憶装置とは?(メモリ、ストレージ)|共通テスト完全攻略勉強法_103

  • 前回は、CPUの説明をしました。 CPUは、プログラムを読み込んで実行したり、データの処理や演算を行ったりするための「演算機能」を担当しています。 CPUの性能を決める指標が「クロック周波数」と「コア数」です。このクロック周波数とコア数が上がるほど、性能が良く処理速度の速いCPUと言えるでしょう。
    さて今回は、データや情報の保存に欠かせない「記憶装置」について、詳しく解説していきましょう。

①記憶装置とは

  • 記憶装置は、データや情報を、一時的または永続的に保存するための装置です。これは、コンピューター内の重要な部品であり、データを読み込んで処理し、出力するために必要です。 この記憶装置は、主記憶装置と補助記憶装置の2つの種類に分類されます。 主記憶装置は、コンピュータが現在使用しているデータを一時的に保存するための装置です。 読み書きが可能で、高速にアクセスできることから「Random Access Memory」の略称であるRAMと言います。日本語に訳すと「自由に読み書きができるメモリ」です。 RAMの代表はメモリであり、一般的には、RAM=メモリと考えて問題ありません。 一方で、補助記憶装置はRAMほど高速で読み書きはできませんが、永続的にデータを保存することが可能です。 つまり、消えては困るデータを保存する装置が補助記憶装置となり、記憶という意味のメモリに対して、貯蔵という意味のストレージと呼びます。 また、主記憶装置をRAMと呼んでいたのに対し、補助記憶装置は「Read Only Memory」の略称であるROMと言います。
  • なんか聞いたことあるかも?
  • CD-ROMやDVD-ROMという言葉を聞いたことがあると思いますが、このROMのことです。 他にも、ROMの例としては、USBメモリ、ハードディスク(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などがあります。 「Read Only Memory」を日本語に訳すると「読み出し専用メモリ」です。ROMは本来は読み取り専用であるため、そのような名称が付けられていますが、現代の技術により、HDDやSSDなどのROMは書き換えも可能になっています。 読み書きもできるのにReadOnlyと呼んでいるところがややこしいのですが、例えば東京ディズニーランドが実際には千葉にあるように、補助記憶装置=ROMと覚えてしまいましょう。

②メモリとストレージ

  • メモリは、CPUが処理するデータを一時的に格納する場所であり、演算や処理を高速に行うために必要な部品です。 CPUはメモリから処理に必要なデータを読み込んで処理を行い、結果を再度メモリに書き込むという作業を繰り返して、コンピュータを動作させています。 メモリの容量が大きいほど、多くのデータをCPUに一度に送ることができ、処理速度を向上させることができます。 しかし、CPUとメモリは関係性が深いので、どちらか一方の性能が高いだけでは、コンピュータは十分な性能を発揮できません。 例えば、メモリの性能が高くて一度に沢山のデータを送れても、CPUの性能が悪く、「そんなにいっぺんに送られても処理できない」となってしまえば、せっかくのメモリの高性能を活かしきれないということになります。 例えると、お餅つきのようなものです。
  • どういうこと?
  • 高速でお餅をつく映像を見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、あれは餅をつく人と餅を返す人の両方がお互いに高速で動き、さらに息も合っていなければできませんよね? CPUとメモリの関係性はまさに、餅をつく人と返す人の関係性と似ているのです。 また、メモリは読み書きが高速でできますが、パソコンの電源を切るとそれらのデータは失われます。そのためRAMを「揮発性メモリ」とも呼びます。 メモリは、マザーボードのこの部分に取り付けます。 このメモリを取り付ける部分をメモリスロットと呼びますが、このメモリスロットはマザーボードによっては複数個あります。 つまり、メモリは増設することが可能なので、コンピュータのパフォーマンスが落ちてきた時に、メモリを増設して改善させることはよくあります。 メモリはどのくらいのデータを保存できるかが性能の良し悪しとなりますので、単位はデータ量を表すByteを使います。 2023年現在は、一般的に1枚あたり8GBもしくは16GBのメモリが多く売られています。 主記憶装置であるメモリが読み書きが可能で、高速にアクセスできる反面、コンピュータの電源を切るとデータが消えてしまうという特徴があります。 一時的な計算やプログラムのデータは消えても問題ないですが、写真や文書のように消えてしまっては困るデータもあります。
  • 自撮りコレクションが消えたら困る!!
  • そういった消えては困るデータを保存するのが、補助記憶装置であるストレージの役割です。 分かりやすく言うと、私達が数学の問題を解く時に、計算をするために使って解けたら捨ててしまうメモ用紙がメモリ、その問題の解き方を忘れないように記録しておくノートがストレージとなります。 これら補助記憶装置は、主記憶装置よりも遅く、読み書き速度も遅いですが、電源を切ってもデータを保存できるため、不揮発性メモリとも呼ばれます。 ストレージの代表例と言えば、ハードディスクドライブ、略してHDDです。 HDDは別名、「磁気ディスク」と呼ばれ、モータで高速回転するディスクに磁気ヘッドを近づけることでデータの読み書きを行う構造なのですが、回転するため衝撃に弱いというデメリットがあります。 そのため、パソコンを落としてしまってHDDが壊れてデータを棄損したということも昔はよくありました。 また、読み書きの際に動作音がしたり、円盤を回転させるための電力が必要なため、外部から電源を用意するといった必要もあります。 それらのHDDの問題を解決したのが、SSDです。 SSDはSolidStateDriveの略称で、フラッシュメモリを使った記録媒体です。 先程、主記憶装置であるメモリは高速に読み書きができるというお話をしましたが、電源が切れたらデータも消えてしまうという問題がありました。 では、そのメモリを電源が落ちてもデータが消えないようにすれば良いとこ取りじゃね?という発想から生み出されたものがフラッシュメモリとなります。 フラッシュメモリの特徴は、内蔵しているメモリーチップに電気的にデータwo読み書きしているため、小型軽量で、高速に読み書きができ、さらには衝撃性にも優れているため、今ではあらゆるところで活用されています。 例えば、皆さんのスマートフォンに入っているSIMもフラッシュメモリです。スマートフォンだけでなく、デジタルカメラや家電製品などにも使われています。 また、USBメモリもフラッシュメモリの1つです。 HDDと比較しメリットが多いのですが、大容量の記録には不向きというデメリットがあり、数年前まではパソコンの補助記憶装置としてはHDDが主流となっていました。 しかし、技術的な進歩により、大容量の記録もできるようになって生まれたのが、SSDです。 その結果、最近ではHDDよりもSSDを搭載しているコンピュータが多くなりました。 また、古いパソコンのHDDをSSDに換えて、読み書きスピードを速くする「SSD換装」という言葉もIT業界では流行しました。 このように、様々なメリットがあるフラッシュメモリですが、最大の特徴は「消費電力が少ない」ということです。 HDDの場合、ACアダプタなどを使って外部から電源を用意する必要がありましたが、フラッシュメモリの場合、その必要もありません。 USBメモリの場合、差し込んだUSBから流れる微量な電力でも動作ができます。 このように、USBから電源供給を受けることで、接続機器が動作することをバスパワーと言いますので、こちらの用語も覚えておきましょう。
  • 覚えること多くてぼくの容量が足りない・・

③オンラインストレージ

  • HDDもSSDも物理的なストレージとなりますので、それ自体が壊れたり、無くしたりすることで、その中に入っているデータも失われます。 また、パソコンに入っているSSDには、そのパソコンからしかアクセスできないため、外出してパソコンを持ち歩いていない場合には、SSDに入っているデータを使うことはできません。 そのため、最近はオンラインストレージを使う人が増えています。 オンラインストレージは、自由に読み書きできるディスクスペースをインターネット経由で貸し出すサービスです。 皆さんが一番馴染みのあるオンラインストレージは、iPhoneのiCloudでしょう。 Cloudというのは雲という意味です。文字通り、雲はいつでもどこにいても空にありますので、覚えやすいでしょう。 iCloudをLINEのバックアップにしたり、音楽や写真、動画などを保存している人も多いかと思います。 これにより、iPhoneを機種変した場合でも、すぐにデータ連携ができたり、iPhoneを無くしたり壊してしまっても、データが保全されるということなのです。

まとめ

  1. 1.記憶装置は、データや情報を一時的または永続的に保存するための装置である。
  2. 記憶装置は、主記憶装置と補助記憶装置の2つの種類に分類され、それぞれRAM(メモリ)やROM(ストレージ)と呼んでいる。
  3. 自由に読み書きできるディスクスペースを、インターネット経由で貸し出すサービスのことをオンラインストレージと呼ぶ。