選挙は子どもたちの未来を左右する
参議院選挙が近づいてきました。選挙と聞くと堅苦しい、難しいというイメージを持つ方も多いかもしれませんが、今回の選挙は私たちの生活、そして何より子どもたちの未来に大きく関わる重要な選挙です。
選挙権のない子どもたちにとって、なぜこの選挙が重要なのでしょうか。それは、今の政治の決定が将来の彼らの生活環境を作り上げるからです。
消費税の問題を例に考えてみましょう。
各政党が掲げる公約の中で、消費税を0%にする、5%に下げる、食料品だけでも0%にするといった提案があります。
一方で、自民党・公明党は消費税を据え置きにして給付金を配るという方針を示しています。
消費税は子どもたちの将来や社会保障に使われるお金です。消費税をなくすことが本当に良いことなのか、そのお金をどう確保するのか。こうした問題は子どもたちが大人になった時の社会情勢に直結します。
私は家族行事として、子ども3人を連れて必ず選挙に行きます。朝8時の開票と同時に、部活がある日でも部活前に寄って投票します。これは子どもたちに「選挙は極めて重要なもの」だということを行動で示すためです。
若者が動かないと、政治は動かない
ここで最も重要な問題は投票率です。前回の衆議院選挙における20代の投票率は34.66%でした。つまり、3人に1人しか投票していないのです。
年代別投票率(前回衆議院選挙)
• 20代:34.66%
• 60代:68.02%
→ 20代の投票率は60代の約半分
政治家の立場で考えてみてください。衆議院議員の任期は4年です。4年後の選挙で当選しなければ、政治家としての活動は終わりです。その時、投票率が34%の20代向けの政策と、投票率が68%の60代向けの政策、どちらを優先するでしょうか?
答えは明らかです。投票率の高い年代の声に耳を傾けるのは当然の政治判断です。
年代別有権者数
• 20代:約1,070万人
• 60代:約1,456万人
• 40代:約1,720万人
さらに深刻なのは、有権者数そのものの違いです。20代は人数でも、投票率でも圧倒的に少ないのです。
今の20代向けの政策が実行されないということは、現在10歳、11歳の子どもたちが20歳になった時にも、若者が生活しやすい環境が整っていないということを意味します。政策の立案から実行まで3〜4年かかることを考えると、今の段階で20代の投票率を上げなければ、どんどん若者の意見は政治から遠ざかってしまいます。
組織票という現実も知っておく必要があります。企業献金の95%が自民党に流れているという事実があります。これは違法ではありません。企業は自社に有利な政策を実行してくれる政党に献金し、従業員に投票を呼びかけます。こうした組織票に対抗するためには、無党派の若者が投票に行くしかないのです。
投票のチャンスを逃さず意思を示そう
今回の参議院選挙は7月20日、3連休の中日に設定されています。これは偶然ではありません。多くの人が旅行に出かける3連休の中日を選ぶことで、投票率を下げたいという意図があると考えられます。
投票率が下がれば、組織票を持つ政党が有利になります。無党派層が投票しにくい日程を選ぶのは、ある意味で戦略的な判断と言えるでしょう。
日本は「失われた30年」と言われていますが、この調子では「失われた40年」「失われた50年」になってしまいます。少子化問題も30〜40年前から分かっていた問題です。それにも関わらず、効果的な対策を打ててこなかった責任は、政権を担ってきた政党にあるのではないでしょうか。
会社でも業績の悪い社長は交代させます。30年、40年も結果を出せない経営陣をそのまま続けさせる会社はありません。政治も同じです。結果を出せない政治には変化が必要です。
18歳、19歳の皆さんには特にお願いします。遊びはいつでもできますが、選挙は限られた日程でしか行えません。どうしても予定がある場合は、恋人や友人と一緒に期日前投票に行ってください。
「私一人が投票したところで結果は変わらない」と思うかもしれません。しかし、投票率を上げることが何より重要なのです。特に年代別投票率を上げることで、政治家の意識を変えることができます。
誰に投票すべきか分からない場合は、白票でも構いません。大切なのは投票所に足を運び、投票率を上げることです。
子どもたちにより良い未来を残すために、ぜひ投票に行ってください。