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主体性を失った子供たち。本来の学びの目的とは①

第11回教育・総合展に行ってきました。
今回はその中の基調講演についてご紹介します。
「これからの学校が目指すべき姿」 工藤勇一氏

工藤勇一さんの経歴

2020年4月から学校法人堀井学園横浜創英中学・高等学校 理事・校長
2014年4月~2020年3月まで千代田区立麹町中学校長として
学校運営に全教職員・保護者を当事者として巻き込みながら、形骸化した教育活動をスクラップし、再構築。
宿題や定期考査の全廃、固定担任制の廃止、服装頭髪指導の廃止などを行い、「当たり前」とされてきたことを覆してきました。
著書に『学年の「当たり前」をやめた。——生徒も教師もかわる!効率名門中学校長の改革——』があります。

主体性を失った子供たち

  • 「身体的健康」=38か国中1位
  • 「精神的幸福度」=38か国中37位

これは、ユニセフが発表した、経済協力開発機構(OECD)または欧州連合(EU)に加盟する38の国々の子供の状況をランキングで示したものです。
日本は、「身体的な健康」はナンバーワンですが、「精神的幸福度」は『ワースト2位』です。

日本の教育が抱える課題は、だれもが当事者意識を失っていることです。

人は、与えられることに慣れていきます。
手をかければかけるほど、子供は自立できなくなり、自分がうまくいかないことを誰かのせいになります。
主体性を失った子供たちはもやもやし、自分も他人も嫌いになっています。

手をかけすぎないためには、どうしたらよいのでしょうか。
麹町中学校では、3年間勉強しなさいとは言いません。

「どうしたの?」
「君はどうしたいの?」
「何を支援してほしいの?」

これは、主体性を失った子供たちにリハビリをするための3つの言葉がけです。
こうした言葉かけをすることで、子供たちは「自己決定」を積み重ねます。

そもそも、日本の教育は、勉強時間を増やすことが目的になっています。
日本は家庭学習の時間が多いです。
しかし、宿題をだせば出すほど、悪くなっていくのです。

次回は、学びの目的・自立した学習についてをご紹介します。