- 前回は、マスコミュニケーションについて説明しました。 マスコミュニケーションとは、一度に多くの人に情報を送る通信のことです。 このマスコミュニケーションを行うために必要なマスメディアはさまざまあり、それぞれに性質が異なります。 各メディアが持つ性質は、このマトリクス表でしっかりと復習しておきましょう。 今回は、効果的に情報を伝える際に必要な「情報デザイン」について、学んでいきますよ。
①情報デザインとは
- 情報デザインの考え方はアートのデザインとは少し違います。 情報デザインとは、「必要な情報が効果的に受け手に届くように、情報をわかりやすく整理する手段のこと」と定義されています。 仮に、ぐらみん君のソレが、どんなに映えていて素敵だったとしても、それが「情報」として受け手に伝わらなければ、情報デザインとしてはNGと言うことです。 逆に、ものすごくシンプルであっても、それが受け手にメッセージとして伝われば、情報デザインとしては優秀ということになります。 つまり、視覚的にきれいに見せることが目的ではなく、そのデザインを通じて、老若男女や国籍に関係なく、正しく情報を伝えられることができるというのが情報デザインの本質だということを、まずは理解しておいてください。 今回は、情報デザインを考える上で重要な「キーワード」と一緒に説明していきます。
②アフォーダンス
- ものを見て、人間はどんな行動を取るのか。その関係性のことをアフォーダンスと言います。 例えば、山道を歩いていてこのようなものが置いてあれば、ほとんどの方は「座る」という行動をします。特に「こちらにお掛けください」といった案内文などがなくても、腰掛けるのに丁度良い高さと大きさのものがあれば、「座る」という行動に移るわけです。このように、ものを見ただけでそれに適した行動を取ることをアフォーダンスと言います。 このアフォーダンスを意識することは、情報デザインを考える上で重要な指標となります。 このように、私たちが意識しなくても行動が自然と導かれる「アフォーダンス」を意識したデザインが好ましいと言えるでしょう。
③ピクトグラム
- 情報デザインでは、言語・国籍の違いも意識する必要があります。 2021年に開催された東京オリンピックでは、様々な国から沢山の選手や関係者が訪れました。 そのようなときに、案内などを文字や音声で伝えようとすると、使われる言語の分だけ用意しなければなりません。 そこで、伝えたいメッセージの本質を見極めて表現する記号である、「ピクトグラム」が活用されました。
例えば、非常口のピクトグラムは有名で、皆さんも一度は見たことがあるかと思います。 これは、JISで「非常口のピクトグラムはこの記号を使いなさい」と定めているので、皆が非常口として正しく認識ができるわけです。 しかし、この制定がされていない場合、このような様々な記号が使われ、乱立することにより、非常口と認識できない可能性があります。 このように、JISで制定することで、1つのピクトグラムで多くの人が正しい認識ができるようにしているのです。 - なるほどね。
④究極の5つの帽子掛け
- 情報建築家のリチャード・S・ワーマンは、「情報の分類は5つの基準しかない」と提唱し、この5つの情報を整理する基準を、「究極の5つの帽子掛け」と表現しています。
そして、世の中に無数に存在する情報は、
・「場所(Location)」
・「文字順(Alphabet)」
・「時間(Time)」
・「カテゴリー(Category)」
・「階層(Hierarchy)」
の5つに分けることができます。そして、これらの頭文字を取って「LATCH(ラチ)」と呼んでいます。
では、ひとつずつ紹介します。
・場所(Location)
位置を基準として、情報を整理する方法です。代表的な例が、皆さんもショッピングモールなどでよく見るフロアマップです。モール内の施設の場所と情報をセットにして整理していますね。
・文字順(Alphabet)
五十音やアルファベット順を基準として、情報を整理する方法です。こちらのショップリストの場合、ショップ名のアイウエオ順やアルファベット順にして整理しています。行きたいショップを見つけやすいですよね?その他にも、辞書や本の巻末のインデックスなども良い例です。
・時間(Time)
時刻の前後関係を基準に整理する方法です。このような新幹線乗り場にある時刻表は、新幹線ごとに時間で分けて乗り場が整理されていますね。自分が乗りたい電車をすぐに見つけられるように工夫されています。
・カテゴリー(Category)
分類や項目を基準に整理する方法です。こちらは、Amazonのカテゴリ一覧の画面です。上と左にそれぞれカテゴリのリストが並んでいて、欲しい商品を見つけやすく工夫されています。さらには左側のカテゴリはアルファベット順になっていることも良いところだと思います。
・階層(Hierarchy)
5つの基準の中では一番イメージしづらいと思いますが、大小、高い安い、人気順など、序列がある情報の分類に向いている方法です。 一番わかりやすいのがランキングです。Amazonの売れ筋ランキングのページでは、売れている人気の商品が分かりやすくなっているだけでなく、さらにカテゴリ別にも分類されていますね。 例えば「飲料水」カテゴリ内のランキングといったように、階層はカテゴリとセットで表現されることも多いので、覚えておきましょう。
位置を基準として、情報を整理する方法です。代表的な例が、皆さんもショッピングモールなどでよく見るフロアマップです。モール内の施設の場所と情報をセットにして整理していますね。
・文字順(Alphabet)
五十音やアルファベット順を基準として、情報を整理する方法です。こちらのショップリストの場合、ショップ名のアイウエオ順やアルファベット順にして整理しています。行きたいショップを見つけやすいですよね?その他にも、辞書や本の巻末のインデックスなども良い例です。
・時間(Time)
時刻の前後関係を基準に整理する方法です。このような新幹線乗り場にある時刻表は、新幹線ごとに時間で分けて乗り場が整理されていますね。自分が乗りたい電車をすぐに見つけられるように工夫されています。
・カテゴリー(Category)
分類や項目を基準に整理する方法です。こちらは、Amazonのカテゴリ一覧の画面です。上と左にそれぞれカテゴリのリストが並んでいて、欲しい商品を見つけやすく工夫されています。さらには左側のカテゴリはアルファベット順になっていることも良いところだと思います。
・階層(Hierarchy)
5つの基準の中では一番イメージしづらいと思いますが、大小、高い安い、人気順など、序列がある情報の分類に向いている方法です。 一番わかりやすいのがランキングです。Amazonの売れ筋ランキングのページでは、売れている人気の商品が分かりやすくなっているだけでなく、さらにカテゴリ別にも分類されていますね。 例えば「飲料水」カテゴリ内のランキングといったように、階層はカテゴリとセットで表現されることも多いので、覚えておきましょう。
- このように、きれいに見せるだけでなく、情報を整理して分かりやすくすることも、情報デザインの1つの要素であるということをおさえておいてくださいね!
まとめ
- 必要な情報が効果的に受け手に届くように、情報をわかりやすく整理する手段のことを、情報デザインと言う。
- 伝えたいメッセージの本質を見極めて表現する手段として使われる記号を「ピクトグラム」と言う。
- 世の中に無数に存在する情報は、「場所(Location)」「文字順(Alphabet)」「時間(Time)」「カテゴリー(Category)」「階層(Hierarchy)」の5つに分けることができ、「究極の5つの帽子掛け」と呼ばれている。