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【情報Ⅰ#51】Society5.0とは?教育・日本の未来|情報1の授業動画【高校・共通テスト対策】プログラミング

  • 前回は、プライバシーについて解説しました。
    「プライバシー」とは、個人は特定できないものの、むやみに他人に知られたくない私生活上の個人的な情報のことを言います。 また、プライバシーに係わる権利である肖像権は、プライバシー権とパブリシティ権の2つで構成されていて、プライバシー権は誰にでも認められている人格的な権利なので人格権とも呼ばれます。一方で、パブリシティ権は有名人に認められている財産的な権利となるため、財産権とも呼ばれるという話をしました。
    本日は、日頃皆さんが学んでいる情報によって社会がどのように変わっていくのかということで、Society5.0についてお話していきます。

①Societyとは

  • Societyは「社会」という意味です。
    ソーシャルディスタンスのSocialは「社会的な」という意味ですね。
    感染対策として人間社会において適切な距離(Distance)を空けようという意味です。
  • そう言われると分かりやすい!でも、Societyは分かったとして、5.0ってなんなのさ?
  • 簡単に言うとバージョンのことですね。iPhoneもiPhone3、iPhone4と進化してきましたが、その数字・バージョンのことだと思えばOKです。
  • じゃ、Society 1.0やSociety 2.0もあるの?
  • はい。そうですね。今までも◯◯社会と言われた時代があり、その度に進化・発展してきた歴史があります。では、Society5.0を理解するために、まずSociety1.0から、順番に追っていきましょう。

②Societyの歴史

  • 大分さかのぼりますが、歴史の授業で「狩猟社会」というのを聞いたことはありますか?
  • あるよ。中学生のときに習った!
  • 簡単に言うと、原始時代です。今の肉食動物のように、マンモスや魚などを狩って、それを食べることで生き延びてきた時代です。
  • だから、狩猟社会って言うんだね。
  • はい。この狩猟社会が、Society 1.0となります。
    しかし、マンモスや魚を狩るとなると、命の危険を伴いますし、狩猟に失敗したら食べることができなくなり、餓死してしまいます。
  • そうだよね。
  • そこで、命の危険を伴わず、安定した食料を得るために考えられたのが、田畑を耕して野菜などを育てたり、小麦や米などの作物を育て収穫していた「農耕社会」です。これがSociety2.0となります。
    狩猟から農耕に変わり、自分の土地を持つことで、人々が決まった土地に住むようになったとされ、今のような「家に帰る」という習慣が生まれたと言われています。
    その次が、工業社会(Society 3.0)です。
    今まで手で行っていた作業を機械を使うようになったことで、効率良く作業を行うことができ、大量生産が可能となりました。 社会で産業革命は習いましたよね?
  • うん。確かイギリスで1800年頃に起こったんだよね?
  • 簡単に言うと、米を作るのに、一つ一つ苗を植えていって、実がなったら鎌などを使って刈っていくやり方よりも、トラクターやコンバインを使って一気にガーッと刈ったほうが効率が良いですよね?
  • あぁ、確かに!
  • このように、効率化することによって、大量生産が可能となり、国同士での様々な商品が取引によって交換されるようになりました。
Q.ここで取引に利用されるものは何でしょうか?
A.お金(通貨)です。
  • 機械化により効率良く大量に生産できるようになり、様々な国で作ったものを他の国に売るという、お金による取引がより活発に行われるようになったので、これと同時期に金本位制というお金の制度が生まれました。
    この流れについては、以前の仮想通貨編で詳しく説明していますので、そちらを見てくださいね。
    次が、情報化社会(Society 4.0)です。
    インターネットや携帯電話、スマートフォンなどの普及によって世界がネットワークで繋がった社会を指します。これにより、世界のどこにいても、瞬時にあらゆる情報を知ることができるようになりましたね。
  • うん。狩猟に比べれば遥かに便利になった。これよりも便利な社会がSociety 5.0ってこと?
  • はい。その通りです。

③Society5.0とは

  • うーん。今も十分便利だからさ、Society5.0で僕たちの生活が具体的にどう変わるのかが知りたいな。
  • では、分かりやすく現在の情報化社会(Society 4.0)と比較しましょう。
    今は、情報を得ることは非常に簡単になったのですが、最終的に、その情報を使って判断したり操作したりするのは人間です。 例えば、車を運転するとき。人はインターネットナビで取得した地図のデータを参考に、実際の道や道路標識に従って、ハンドルやブレーキ操作を行いますよね。
    それがSociety5.0になると、車は周囲の情報やGPSデータなどをインターネットに自動送信し、AIが解析した結果をもとに、車がハンドルやブレーキ操作を行うようになります。
    このように、ビッグデータやAIが存在する仮想空間と、人間のいる現実空間でスムーズにデータをやりとりして、経済発展と社会問題を解決していこう!という人間中心の社会を「Society5.0」と名付けました。
  • なるほど!
  • 日本では今、様々な社会問題があります。代表的な例で言えば、高齢化社会問題があります。
  • 生まれてくる子どもの数が減ることで、お年寄りの割合がどんどん増えている問題だよね。
  • はい。また日本の場合、子どもの数が減ることで、日本の人口そのものや働ける人、いわゆる労働者人口もどんどん減っていくと予測されています。
    様々な業界で深刻な人手不足に見舞われている現代において、労働者の減少はさらなる追い打ちとなりかねない。であれば、ITテクノロジーによって労働そのものを効率化して解決していこう!というのが日本政府の狙いです。
    ということで、次回は、Society5.0によって私達の暮らしがどのように変わっていくのかをお伝えします。

まとめ

  1. 「Society5.0」とは、ビッグデータやAIが存在する仮想空間と、人間のいる現実空間でスムーズにデータをやりとりして、経済発展と社会問題を解決していこう!という人間中心の社会のことを言う。
  2. 今までも◯◯社会と言われた時代があり、その度に進化・発展してきた歴史がある。そして、その都度Societyのバージョンが上がっている。
  3. 日本には、高齢化問題などの様々な社会問題があり、Society5.0は、その問題解決策として日本政府が主導している取り組みのこと。