- 本日は、モデル化とシミュレーションについて学んでいきましょう。 モデル化とシミュレーションは、複雑な現実世界の問題を理解し、予測するための手段となります。 これにより、物理的な実験が難しい、またはコストがかかりすぎる場合でも、事前テストが可能になります。
今回は基本的なモデル化の概念から始め、さまざまなシミュレーション技術を紹介し、それらがどのように現実世界の問題解決に役立っているかを解説していきます。
①モデルとは
- 実際の対象の特徴を模倣して作られたものを「モデル」と呼びます。 世の中には、費用が掛かる、時間が掛かる、命に関わる、再現が難しいなど様々な理由で実際に施行することが難しい事柄があり、そういった場合にモデルがよく使われます。
- 僕もモデルを目指しているよ。いつかはパリコレに出ようと思っているんだ。
- ぐらみん君はBMI28.13の肥満体型を何とかしましょう。
今、ぐらみん君が言ったファッションモデルも、モデルの一種です。 新しくデザインされた服が一般的な女性に適しているかを確認するために、モデルが試着します。 ファッションモデルが着用して多くのデザイナーが称賛した服はヒットの予感がしますし、どうもしっくりこない場合、その服は売れないだろうと予測され、時間と費用の節約につながります。
また、マンションのモデルルームもモデルの一例です。 そろそろマイホームが欲しい!と思ったら、建設途中のマンションのモデルルームを見学し、検討することは一般的ですよね。 - 結婚して10年目。子どもに恵まれて、今のところはみんなで小さなアパートに暮らしてるんですよ。まあ、子どもたちがまだ小さいから何とかなってるんですけどね。でもね、これから子どもたちが大きくなってきたら、どうなることか。家中を駆け回るようになるし、おもちゃや勉強道具なんかの荷物も増えてくる。そうしたら、この狭いアパートはますます手狭になってくるわけですよ。 それにね、子どもたちが中学生くらいになったら、思春期ですからプライベートを意識して子ども用の部屋も要るでしょう?そう考えると、私も今35歳。30年ローンを組んだら、ちょうど定年の65歳になるってわけ。そこでね、私は決めたんですよ。「よし、思い切ってマンションを買っちゃおう」と。まあ、そんなわけで、新しい住まいへの一歩を踏み出すことになったんですよ。どんな未来が待ってるか、わくわくしますね。
という一般家庭を想像した。 - ちょっと何言っているかわからないですが…
マンションは人生で最も高い買い物ですから、購入後にイメージと違うということにならないように、モデルルームが作られます。 さらに、最近ではコンピュータによって作られた仮想空間で再現されたモデルも存在します。 例えば、東京オリンピックで使用された新国立競技場や、2025年に開催される大阪・関西万博の建物も、CGで事前に公開されていますね。
このように、テクノロジーの進化により、様々な事柄が簡単にモデル化できるようになりました。 しかし、モデル化するには多くのステップを踏む必要があります。 先程のモデルルームの例を取ってみると、多くのマンションの中から選ばれるためには、美観だけでなく、キッチンの使い勝手、収納の多さ、生活導線などを研究し、それに基づいて設計する必要があります。
また、時代によって人々の好みは変わります。 毎年変わる洋服のデザインは、様々な要因によるトレンドの変化が原因であり、情報を適切に取捨選択する必要があります。
②シミュレーション
- モデルが完成すれば、それを使って状況を再現することが可能になります。 このようにして、状況を模擬することを「シミュレーション」と呼びます。
例えば、自動車メーカーが新型車を開発する際、乗り心地、燃費、ブレーキの効果、加速度などを市場に出る前に実際に運転して確認します。 これもシミュレーションの1つです。
そして、このシミュレーションは、モデルとなるモデルカーがあるからこそ実現可能です。 自動車のように人命に関わる製品の場合、万が一の誤作動がないよう、複数のモデル車で危険な操作をしても正常に運転ができるかなどもシミュレーションで検証します。
また、ブレーキの効果や燃費などの数値化できる要素は、基準値を満たしているかもデータ分析して確認します。 次に、物の動きなど時間によって変化する事象は、物理学の数式に当てはめてシミュレーションすることも可能です。
例えば、物が落ちるときの自由落下の速度は「v=gt」、落下距離は「y=1/2 × gt2(2乗)」になりますから、物を落としてから地面に落下するまでどのくらいの時間がかかるかといったシミュレーションができますね。 - 計算が難しそう。。
- はい。ただ、今はコンピュータがありますので、様々なパターンを一瞬で計算できてしまうため、高度なシミュレーションが可能となっています。
では、ここで問題です。世界で最初にコンピュータで行ったシミュレーションとは何でしょう?
正解は、「原子爆弾の爆発に関するシミュレーション」です。 - なんだか、悲しい。
- これは、第二次世界大戦中の1940年代にアメリカ合衆国で行われたマンハッタン計画の一環として実施されました。 このシミュレーションでは、特に爆発の衝撃波やエネルギー放出の様子を計算するために使われました。 このようなシミュレーションにより、原子爆弾の設計と効果に関する重要な洞察が得られ、後の核兵器開発に大きな影響を与えたと言われています。
③実際のシミュレーションの例
- 現代社会では、さまざまなことをモデル化し、シミュレーシ∃ンを行うことで最善な方法を求めています。 有名回転寿司チェーンのくら寿司では、ICタグの情報を活用して、曜日や時間帯、来客数や滞在時間・消費量予想などのビッグデータを分析し、AIで回す皿の数を調節する提供オペレーションを導入しました。
これにより、約15%だった廃棄率は約3%に大幅に削減されました。
さらにこのシステムは、客の嗜好や季節ごとのトレンドを分析し、人気のある寿司ネタの供給を最適化することも可能になりました。 ビッグデータを活用したこのシミュレーションは、需要予測の精度を向上させるだけでなく、食材の仕入れや在庫管理の最適化にも貢献しています。
例えば、特定のネタが特定の曜日や時間帯に人気であることが分かれば、その情報をもとに仕入れを調整することができます。
これにより、新鮮な食材を提供しながらも、無駄な在庫を抑えることが可能になります。
このように、ビッグデータを活用したシミュレーションは、くら寿司のオペレーション効率の向上だけでなく、ユーザ体験の向上にも貢献しており、これは飲食業界におけるデータ駆動型経営の成功例として注目されています。
まとめ
- 「モデル」は現実の対象を模倣したもので、実施困難な事柄を解決するために用いられます。
- 「シミュレーション」はモデルを使って状況を再現し、予測や実験を可能にする手法です。
- 実際には、ビッグデータとシミュレーションを組み合わせて、効率的な解決策を導き出します。
『明日から使えるツウぶれる一言』
野球やサッカーなど様々なプロスポーツ競技においては、ビッグデータ分析を用いて選手のパフォーマンスを分析し、戦略を練っています。
ビッグデータ分析:大量のデータを分析し、モデルやシミュレーションに必要な洞察を抽出するプロセス。
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