【高校情報Ⅰ】プログラミング言語(DNCL、機械語、開発環境)|共通テスト完全攻略勉強法_122
【高校情報Ⅰ】プログラミング言語(DNCL、機械語、開発環境)|共通テスト完全攻略勉強法_122
- 前回は、フローチャートについて説明しました。 フローチャートとは、アルゴリズムを視覚的に分かりやすく図示したもののことです。 データを一時保管しておく箱のようなものを「変数」と言い、データを複数保管しておく連結した箱のようなものを「配列」と言うとお話ししましたね。
さて、今回は、コンピュータへ指示する際に欠かせないプログラミング言語について解説していきます。
①プログラミング言語とは
- プログラミングとは「人間の命令でコンピュータ等に自動化させる作業」でしたよね? その命令を記述したものをプログラム、もしくはソースコードと言います。 コンピュータは2進数の命令しか受け付けないので、本来はプログラムも2進数で書かなければなりません。 しかし、2進数で様々な命令を書くのは困難を極めますので、まずは、馴染みの深いアルファベットや記号を用いてプログラムをして、それを2進数に変換して命令をかけています。 その言語のことを「プログラミング言語」と言い、それと区別するための2進数の命令を「機械語」と呼びます。 日本語、英語、中国語、フランス語など、地球上に様々な言語があるように、プログラミング言語にも様々な種類があります。 私たちが使う言語のうち、英語や中国語のように使う人口が多い言語もあれば、アイスランド語やクメール語のように世界的にはあまり使われない言語もあります。 ここでは、おそらく皆さんの教科書でも使われているであろうメジャーなプログラミング言語を、いくつか抜粋して紹介します。
②プログラミング言語の種類
- まず1つ目は、Pythonです。
Pythonは、シンプルな構文で初心者でも理解しやすいプログラミング言語です。 AIなどの最先端技術開発にも利用されています。AI開発の需要が高い今日において、企業の求人募集の際にも非常に人気のあるプログラミング言語となっています。
そして2つ目は、JavaScriptです。
JavaScript は、Webサイトで様々な処理をできるようにするプログラミング言語です。 例えば、郵便番号を入れたら自動的に住所を補完してくれる入力フォームを使ったことがあるかと思いますが、それもJavaScriptで書かれています。 また、ブラウザのみで動作が可能となりますので、開発環境を準備する手間が少なくなります。 - 開発環境?
- はい。プログラミング言語によっては、そのプログラミング言語を使ってシステム開発をする前段階の準備として、アプリのインストールや初期設定を行う必要があります。 これを、開発環境と呼びます。 開発環境を用意するときに専門的なコマンドを打つこともありますので、その段階で挫折する人が意外と多いのです。 しかし、JavaScriptなどの一部のプログラミング言語は、そのような開発環境の作業の手間が圧倒的に少ないので、思い立ったらすぐに試すことができるという利点があります。
3つ目は、VBAです。
VBAは、ExcelやWordの効率を上げるために組み込まれるプログラミング言語です。 例えば、Excelでの繰り返し作業を自動化したり、Wordでのテンプレート作成を簡易化したりするのに使われます。 また、Accessというソフトを使うことで、本格的なアプリを作るといったことも可能です。
4つ目は、Scratchです。
これまで紹介したプログラミング言語はアルファベットや記号での記述がベースになっていますが、Scratchは英語での記述ではなく、ブロックを使ってプログラミングが行なえます。 文字を使ってコーディングする言語を「テキストプログラミング言語」と呼ぶのに対し、ブロックでプログラミングする言語を「ビジュアルプログラミング言語」と呼びます。 そのため、小さな子どもでも視覚的に分かりやすくプログラミングを学べるので、小学校や中学校で教育用として使われます。 - ふーん。いろいろあるけどさ、結局、情報1で使われる言語をこれから勉強するんだよね。それはどれなのさ。さっさと教えてよ!
- 実は、この中のどれでもない「DNCL」という言語を使います。 DNCLとは、情報1専用に考案された仮想言語であり、この世には実在しないプログラミング言語となります。 DNCLは大学入試センターが作成したので「Daigaku Nyushi Center Language」の略ではないかといわれることが多いですが、正式には公表されていません。
- なんで、こんなセンスもなくて実在もしていないプログラミング言語を使うのさ。
- 高校におけるプログラミング教育は学校や学科によって異なり、多様なプログラミング言語が採用されています。 このバラつきを考慮して、大学入試センターでは「情報1」の問題作成に既存の言語ではなく、独自のDNCLを使用しているのです。
③おすすめのプログラミング言語
- ねぇ、本格的にプログラマーを目指しているなら、どの言語から学べば良いの?
- はい。それはなかのりPGも今まで1万回くらい聞かれた質問であり、一概に答えるのは難しい質問だと思います。 正解を言うのであれば、どれでも良いです。 なぜなら、各言語はそれぞれ特徴がありますが、基本的なコーディング方法は大体同じだからです。どれか一つの言語をマスターできれば、他の言語を覚えるのに学習コストがかからないのです。 一つの言語をしっかり学べば、他の言語も比較的簡単に覚えられます。例えるなら、アメリカ英語を話せる人がイギリス英語を理解するのと同じくらいの違いしかありません。 ただし、プログラマーを本格的に目指すなら、求人の需要が多い言語を選んだ方が、就職できる可能性が高くなるので良いと思います。 現在では、Pythonが注目されています。ただ、これは時代によって変わるので注意が必要です。 ちなみに、なかのりPGはWebプログラマーとして活動していますので、PHPやJavaScriptという言語を得意としています。 PHPは昔から存在するプログラミング言語ではありますが、未だに根強い人気を保っています。 結局、システムを依頼する側からすれば、どの言語で作られているかよりも、システムが正しく安定稼働するかが大事なのです。 例えるなら、家を建てる材料を選ぶのと同じで、頑丈で快適な家ができれば材料の種類は問わないということです。
ただ、本格的にプログラマーを目指すのであれば、DNCLはおすすめしませんけどね!
まとめ
- コンピュータへの指示を出すために、私たちにとって書きやすく構成された言語を「プログラミング言語」と言う。
- プログラミング言語にも用途や特徴などに分かれた様々な種類がある。
- どの言語でも良いので、とりあえず触って試してみるのが良い。