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自分の居場所

インストラクターのななせです。
第11回教育・総合展に行ってきました。
今回はその中の基調講演についてご紹介します。

「どのように学校を、生徒を変えたか~桜丘中学校改革の総括~ 西郷孝彦氏

西郷孝彦さんの経歴

  • 1954年横浜生まれ 趣味:ギター演奏
  • 上智大学理工学部を卒業
  • 1979年より都立の養護学校を始め、数学と理科の教員、教頭・副校長を歴任
  • 2010年より10年間、世田谷区立桜丘中学校長に就任
  • ・校則や定期テスト等の廃止、インクルーシブ教育の導入、ICTの活用など個性を伸ばす教育を推進し、大幅な学校改革を実現

桜丘中学校には、廊下に机があります。
廊下で麻雀をする生徒もいるそうです。
定期テストや校則もありませんし、スマホやタブレットの持ち込も自由。
そんな自由な校風に改革された西郷さんの教育方法とは、どのようなものなのでしょうか。

科学の方法のように、子供を観察する

西郷さんは目の前の子供たちの観察や意見を大切にしています。

例えば、森をただ眺めているだけでは、どんな虫がいるのか、どんな鳥がいるのかわかりませんよね。
しかし、一つの木を見ていると、この木にはこんな虫やがあつまるなどいろんなことが見えてきます。

自然科学などは、観察をするのになぜか教育だけは、子どもたちをみません。
西郷さんは、自分の価値観を取り払って、素直に子供たちをみることを大事にされています。

観察を続けていると、授業中に本を読んでいる子のに、オール5の成績をとる生徒がいたりします。
そこで、本を取り上げるのではなく、「どうして本を読んでいるのにオール5なんだろう?」とくリティカブルシンキングで考えます。
そこで見えたことは、情報量が少ない授業であれば、効率的に他の知識を取り入れることができるということです。

情報をあつめるため、西郷さんは校長室をでて、自ら子供を観察します。
また、休み時間の校長室には子供たちであふれています。

子供には、教室と部活しか居場所がない

桜丘中学校の放課後活動には

  • 放課後のボーカルレッスン
  • 放課後の料理教室
  • 放課後のべんきょう教室
  • 炎のギター教室

また

  • 英語でプログラミング 英語で料理などのイマージョン教育
  • ICT機器の活用・ネット環境完備
  • 3Dプリンターを美術の授業などで活用
  • マイクロビットを使ったプログラミング授業

例えば、英語の勉強が苦手でも、英語で料理をする、などをやってみると楽しいことに気が付きます。
など、普通の学校にはないような様々なものがあります。
こうやって「学校」という狭い世界の中で自分と同じ趣味のもった子供たちが集まることによって人間関係を築き、自分の居場所を見つけることができます。

生徒の声

実際に通っている生徒はどのように感じているのでしょうか。

  • 「人と違ってもいい、というのがわかった」
  • 「自分に自信がもてた」
  • 「この学校に入るまでは、どうしたらほかの子に気に入られるだろう?と悩んでいたのに、自分は自分でいいんだと自信が持てた。」

というのです。すべての子供たちが3年間を楽しくすごす学校。子供たちが自分の居場所を見つけることができる。
それを提供できたのが西郷さんの学校なのです。

私自身、学生時代に自分に自信がなく、周りに合わせるのに精一杯でしんどいなあと感じる時間が多かったです。
大人になってから学生時代にああすればよかった、と後悔したこともたくさんあります。
自分の「居場所」をみつけ、様々なことにチャレンジできる環境は子供たちにとってとても大切だと感じました。