こんにちは!Nozomiデザイナーをしている高橋です。
花粉症のツライ日々が続いていますね。
花粉症は今や2人に一人が発症しており、「国民病」とまで言われていますが、なぜこれだけ増えたのか、今後はどうなっていくのか、少しでも希望を持つべく調べてみました。
花粉症の原因となるスギやヒノキは、日本の人工林の7割近くにもなります。
スギやヒノキは成長が比較的早く、地域を問わず成長しやすいことから、戦時中や戦後の高度経済成長期に日本全国でさかんに植栽されました。
そして月日が経って植えた木が大きくなり、本格的に花粉を飛散させるようになった頃から花粉症が顕在化し多くの人が花粉症で苦しむことになりました
しかし現在ありがたいことに、花粉が少ない「少花粉スギ」、花粉を出さない「無花粉スギ」の開発が進んでおり、既に多数の品種が開発されていて、都道府県が独自にそのようなスギを開発しているケースもあります。
少花粉スギは、優れた木を選抜した精英樹のうち、花粉の生産量が約1%以下と極めて少ない品種を選んで開発されたもので、
無花粉スギは、一般のスギ林で発見された花粉を全く出さない突然変異の個体を利用し、その個体をさらに品種改良しています。
いずれも従来の木材と品質がほぼ変わらないことが認められていますので、この従来のにっくきスギ・ヒノキがこの素晴らしいNEOスギ・ヒノキに植え替えられればかなりの花粉が減ると言われています!
しかし、日本の人工林は“高齢化”が進んでいて、苗木を植栽してから50年を超える森林が50%を占めているのですが、
日本の木材自給率はまだ36.6%(平成30年)と少なく、このため木材利用を推進し国産材の需要を拡大していくことがとても重要です。
国内でもっと国産材を使うことにより「伐って、使って、植える」といった森林資源の循環利用の確立が可能となり、花粉の少ない苗木への植え替えが進みます。
ただこの「伐って、使って、植える」という話には時間がかかる面もあり、今すぐ花粉に悩まされたくない私には到底待てない...
と思ったところ、「花粉飛散防止剤」という木を切らずに防ぐ方法として開発が進められているものがあるようです!すごい!
化学農薬のような撒くのにも躊躇するようなものではなく、自然界に生育する微生物を使って雄花を枯死させ、花粉の飛散を抑制することができないかと考える手法だそうです。これだ!
この手法は、2006年に福島県西会津町で見つかった、スギの雄花を枯死させる「シドウイア ヤポニカ」という微生物を使う手法です。
この菌はカビやキノコの仲間で、10月~11月にかけて秋に成熟した雄花に感染し、枯死させます。
この菌を活用して開発した飛散防止剤をスギにミスト散布することで、枝レベルで80%以上の雄花を枯死させることに成功しているそうです。
いいぞいいぞ!
黒く変化した枯死雄花、かわいそうですがニヤニヤしてしまいますね!
環境への負荷が少ないというメリットがあるので、実用化に向けて動いていて、現在はひとまとまりの森林で実験し、効果的な散布の方法や防止剤による森林への影響を調査し、製品化に向けて取り組んでいるそうです!
もうそろそろ撒かれたかな?と期待したのですが、この方法にも実用化までには、まだまだ多くの課題があるそうで...
まず散布方法の確立。地上からスプレーで散布しているのでは、広域のスギ林に対応できないので、ドローンや無人ヘリコプターを活用して大面積に散布することになりますが、今度は散布濃度や樹木の高さ、形状などにどう対応するのか工夫が必要になります。
実験では、スギ雄花の並ぶ枝から薬剤の液が滴るほどに散布しないと枯死しづらいそうで、しかし広い面積だと、スギ一本一本にていねいに散布していくことは難しく、必要な薬剤も大量になります。
この一本の木に付着させた菌が、隣接する木々に感染を広げるかどうかもわからないそうです。
自然界でこの菌は、さほど広範囲に感染を広げなかったのでここでも工夫が必要でしょう。
さらに私有林に散布する場合には、所有者に理解を得なければならない。
経済的な負担を誰がするのかといった問題もあるりまだまだ知見や技術開発が求められそうです...
しかし、効率的な散布方法のシミュレーションや、先ほど出たドローンの活用など、ここにも様々なITが使われているので研究はどんどん進化しているようです。
今ITを学んでいる子供達にもぜひぜひこの問題を頭の片隅に入れて置いてもらい、将来実用化までの画期的な方法を考えてくれるかも!と期待しています^^