とうほくプロコン2022 最終エントリー作品講評①

今回は、とうほくプロコンの最終エントリーに残った7人の子どもの作品のうち「ゴミ除けゲーム」「特別賞・協賛賞 ブロック崩し魚当てゲーム」「特別賞・協賛賞 化学式、イオンクイズ」に関する総評をお伝えします。(個人名は避けて作品名でお伝えします。)

ゴミ除けゲーム

まずは「ゴミ除けゲーム」です。このゲームは、魚を動かして、ゴミを除けながら進むゲームです。僕が良かったと思う点は、1人プレイと2人プレイを用意した点です。

今回出場した7人のうち、この子だけ賞をもらえませんでした。
個人的な意見としては、なぜ賞をとれなかったのかなと疑問に思うところもあります。
去年も同じく最終エントリーに残ったのですが、賞がとれませんでした。
今回「どのような作品をつくれば賞をとれるか」と考えたところ、最近のプラスチックゴミなどの海洋ゴミの問題、SDGs、環境問題に照らし合わせたところがすごく良いなと思いました。

この子はプログラミング力も伸びていますし、何より人一倍努力家で、真面目に頑張れます。
さらには、去年、賞をとれなかったので、今年は頑張って賞をとろうという反骨心もある、とても素晴らしい子です。

現在、中学3年生です。
受験勉強が忙しくなり、時間がとれない子も多いですが、そんな中でもしっかりとした作品をつくったというのも評価に値すると思います。
だからこそ、これからの人生にはきっとプラスになったはずです。
今後は、スクラッチだけではなく、ウェブも勉強し、プロコン以上の実績を今後の人生に残せるよう、僕は責任をもって育てていきます。
これから、本当に頑張ってほしいなと思います。

【特別賞・協賛賞】ブロック崩し魚当てゲーム

次は「ブロック崩し魚当てゲーム」です。
皆さん、ブロック崩しはやったことがあると思います。
その要領でブロックを崩していったときに、下に絵が書いてあります。
その絵が何なのかを当てるゲームです。
「ブロック崩し」と「宮城の特産を知ることができる」ということを組み合わせたところが、アイディアとして秀逸だなと思います。

この子は、普段の授業では、しっかりと頑張る子ではありますが、間違ったときや、うまくいかなかったときに、自分で解決方法を見つけるのが苦手な子です。
だから、丸一日、何も進まずに終わってしまうことも多かったです。
Nozomiは、答えを教えず、日本一失敗させるわけですから、そのような場合にも「自分で試行錯誤をして答えを導きなさい」と言っています。
当然、ヒントは与えますが、ヒントを与えてもなかなか自己解決できません。
もう一歩踏み出せと思うところが多いですが、なかなかその一歩を踏み出すことができない子でした。

この作品づくりを通じて、問題解決能力が飛躍的に高まったと思います。
授業を見ていると、今は自信を持って問題を解いているので、まさに「プロコン覚醒」をした一人です。

プレゼンを見てもらうと分かるのですが、受け答えもしっかりできる子です。
普段から挨拶も元気よくできる子で、本当に礼儀正しい子です。
だからこそ、このプロコンで得た経験から、さらにプログラミング力を伸ばして、来年はぜひ最優秀賞をとってほしいなと思います。

【特別賞・協賛賞】化学式、イオンクイズ

最後に「化学式、イオンクイズ」です。
これは、ゆるキャラが登場して、化学に関するクイズに答えていくという作品です。
ゆるキャラなどの素材をすべて自分で描いて用意したということがすごく良かったと思います。

あとは、プレゼンが完璧でした。
自分の作品をしっかりとアピールできたし、どんな人に使ってほしいかということもしっかり伝えることができていました。
自分の好きな化学を一人でも多くの人に知ってほしいという思いが審査員に伝わって、今回の賞をとることができたと思います。

当日、コロナの濃厚接触者になってしまい、現地にくることができませんでしたが、家でもプレゼンの練習を一生懸命やっていたそうです。
そういった中でもしっかりと努力ができる子だと感じました。

この子は中学3年生で、受験勉強が忙しいのですが、その中でもしっかりとまとめた作品を提出できたということも良かったと思います。
今後も、プログラミング力をより高めて、自分の将来に繋げていってほしいなと思います。