【情報Ⅰ#65】解像度(dpi)とは?画像のデジタル表現について|情報1の授業動画【高校・共通テスト対策】プログラミング

  • 前回は、16進法についてお話ししました。 16進法とは「16になったら繰り上がりを行う、数字の表記法」のことです。人間にとって相性の良い10進法と、コンピュータにとって相性の良い2進法の良いとこ取りをしたのが16進法です。 そして、16進数の1桁分は2進数の4桁に相当するため、10進数の15までのマトリクス表があれば、2進数から16進数の変換は簡単に行えるとお伝えしました。 今回は、画像の密度を表す解像度についてお話ししていきます。

①A/D変換

  • アナログとデジタルでお話した通り、コンピュータに保存されている全ての画像データは0と1だけの組み合わせでできています。 まずは、どのようにして0と1だけのデジタルデータにしているのかを理解しましょう。 例えば、Tという文字。これをデジタル化するにはどのようにするのでしょうか? まず、マスで区切ります。今回は縦横10ずつのマスで区切りましょう。 この区切る作業のこと、正確には、アナログデータを一定間隔で区切ることを「標本化」、もしくはサンプリングと言います。 次に、白のマスには0、黒のマスには1を割り当てていきます。 このように、ある一定のルールで整数化することを「量子化」と言います。 そして、0と1の組み合わせだけで数値化したデータである2進数を抜き出します。これを「符号化」と言います。 アナログの画像や音声をデジタル化することを「A/D変換」と呼びますが、A/D変換においては、標本化→量子化→符号化という流れで行われますので、しっかり覚えておきましょう。
  • はーい!動画でしっかり復習します!
  • では次に、このAの文字を同様に標本化してみましょう。 先程のTの場合とは異なり、今回は1つのマスに白と黒が混ざっているパターンもあります。 この場合、0になるでしょうか?それとも1になるでしょうか?
  • 0.5!!!
  • そう言いたくなる人もいるかもしれませんが、こちらは量子化のルールに従います。今回は、白の部分の面積が大きい場合には0、黒の部分の面積が大きい場合には1とします。 そうすると、量子化できます。 しかし、実際に量子化したこの画像はデジタル化することにより、ギザギザしたAになってしまいます。 デジタル化したことにより輪郭にギザギザができることを「シャギー」と言います。 では、どうすればこのシャギーがなくなるのかを考えてみましょう。 今回は10×10のマスで標本化を行いましたが、これを20×20のマスで標本化してみましょう。 同じルールで量子化してデジタル化するとどうでしょう?
  • 動画では、さっきよりもギザギザがなくてわかりやすいAになってる!
  • このように、標本化で区切るマスの数を増やせば、シャギーが少なくなることがお分かりいただけるかと思います。

②解像度とは

  • 同じ領域の中でどのくらいのマスが密集しているのか?このマスの密度のことを「解像度」と呼びます。 そして、解像度を表す単位には、「dot per inch(1インチあたりのドット数)」という英語を略した「dpi」という単位が使われています。 例えば、先程の領域の幅が1インチ(約2.54cm)の場合。10マスのほうが10dpiで、20マスのほうが20dpiとなります。 また、領域は横だけでなく、縦もあります。10dpiの場合、横も縦も10マスずつということですから、10×10で100マス、つまり10の2乗ということになります。 20dpiの場合、20×20で400マス、つまり、20の2乗ということになります。 このように、1インチのマスの数はdpi値の2乗となることも覚えておきましょう。 また、10dpiを符号化したデータはこのようになります。わかりやすいように、10マスずつ行を変えています。 この場合、0と1の組み合わせが100個なので、100bitとなりますね? 一方で20dpiの場合には、0と1の組み合わせが400個なので、400bitとなります。 つまり、解像度を高くすることにより、画像のきめ細やかさが上がる一方で、容量も増えていきます。こういったことも暗記するのではなく、原理でおさえておくと良いですね。

③データ容量

  • 解像度が高くきめ細かいほど、データ容量は上がる。逆に解像度が低く粗いほど、データ容量は下がる。 つまり、解像度とデータ容量はトレードオフの関係にありますので、どちらが良いというわけではなく、用途に合わせて適した解像度にすることが大事なのです。 解像度は、photoshopなどの画像編集ソフトを使うことにより、変更することができます。 例えば、チラシやパンフレットなどの印刷物で画像を使う場合には、200~350dpiが適していると言われています。 チラシにはなるべくきめ細かい、きれいな写真を掲載したいですし、一度印刷してしまえば容量がどんなに重くても関係ないからです。 人間の肉眼で捉えられる限界は300dpiと言われていますので、それ以上の解像度にしても意味がありません。 一方で、Webサイトに掲載するような画像の場合には、50~100dpi程度が適していると思われます。 Webサイトは印刷するよりもスマホやパソコンで直接見ることの方が多いですよね? 先程の画像のように、dpiが4倍近く違う画像であっても、画面で見た場合、肉眼ではほとんど違いが分かりません。 それであれば解像度を低くして、データ容量を小さくし、Webサイトで素早く受信して画像表示できるメリットを優先しようということなのです。

まとめ

  1. A/D変換においては、標本化→量子化→符号化という流れで行われる。
  2. マスの密度のことを解像度と呼び、その単位として、1インチあたりのマスの数を示すdpiが使われる。
  3. dpiが高くなれば、画像のきめ細やかさは増すが、容量も増すことになる。よって解像度を設定する際は、その画像の用途によって値を決めるのが良い。