【情報Ⅰ#14】マルウェア(ウイルス・ワーム・トロイの木馬)感染するとどうなる?|情報1動画教科書、勉強方法【高校授業・共通テスト対策】
【情報Ⅰ#14】マルウェア(ウイルス・ワーム・トロイの木馬)感染するとどうなる?|情報1動画教科書、勉強方法【高校授業・共通テスト対策】
- 以前、サイバー犯罪についてお話しました。
サイバー犯罪とは、インターネットなどのコンピュータネットワーク上で行われる犯罪のことで、ネット犯罪とも言われます。
いつ、どこから、どのように狙われるか分からない。
しかも、証拠等の痕跡が残りにくく犯人を特定しづらい上に、被害者が加害者にされる可能性あるという、とても怖い犯罪です。。
サイバー犯罪から身を守るためには、どんな犯罪なのか・どういう手口なのか・どのような対策があるのかを知ることが大事です。
今回からサイバー犯罪の代表例とも言える、マルウェアについて詳しく解説していきますよ。
①マルウェアとは
- マルウェアとは、簡単に言うと悪意のあるソフトウェアの総称です。
英語で「悪意のある」という意味の「malicious」と、ソフトウェア「software」の言葉をつなげた造語です。 - ふーん。そもそもソフトウェアって何?アプリとどう違うの?
- その違いはあまりありません。
一昔前まではWindowsにインストールするアプリのことをソフトと呼んでいましたから。
ソフトウェアとは「コンピュータに命令を出すプログラム」のことです。
パソコンの中だけでなく、たくさんのソフトウェアが町中で使われています。
ぐらみん君、何か思い当たるものはありますか? - そうだなー。セルフレジは?
- はい。セルフレジにもソフトウェアは入っています。具体的には、「バーコードをかざしたら読み込め」、「該当する商品の写真を表示せよ」、「読み込んだ商品価格の合計を計算せよ」といった命令に対するプログラムが含まれていますよね。
- なるほど。ゲームでも「Aボタン押したらジャンプしろ」とか「Bボタン押したら走れ」とかプログラムされているよね。
- そうですね。そのように悪意の無いプログラムは問題ないのですが、悪意のあるプログラムもできてしまうのです。
- 例えば?
- 「データを削除する」とか「データを書き換える」などといったことです。
こういった悪意のあるプログラムを集めて、人々が困るように組み込まれたソフトウェアのことを「マルウェア」と呼びます。
そして、マルウェアがパソコンに入ることを「感染する」と言います。マルウェアに感染したパソコンは、
・操作不能になる
・ファイルが勝手に消去される
・ファイルが書き換えられる(改ざん)
・個人情報や機密情報を抜き取られる
・サイバー犯罪者にPCを乗っ取られる
こういったことが起こります。
②マルウェアの種類
- マルウェアはたくさんの種類がありますが、大きく分けると次の3つの種類に分けられます。
ウイルス、ワーム、トロイの木馬
例えば、生物でも哺乳類、鳥類、爬虫類などに大きく分類されて、そこから犬、ツバメ、ワニといったように細かく分類されますよね。
その◯◯類に当たるのが、この3つだと考えれば理解しやすくなります。 - なるほど。
- まず、ウイルスから説明します。
ウイルスは、単体では存在できず、他のソフトに寄生します。また自分の分身を作って増殖することもできるという特徴も持っています。
このような特徴が、細菌のウイルスと似ているためウイルスと呼んでいるわけです。
例えば、コロナウイルスもウイルス単体では存在できず、人間の細胞内に侵入して悪さをしますよね。
また、侵入した細胞の力を利用して、増殖していき、体内を蝕んでいくのです。 - そうだね、たしかに似てる。
- つまり、パソコンがウイルスに感染したら、パソコン内の他のファイルも感染したり、ネットワークにつながっている他のパソコンにも次々と感染するわけです。
次に、ワームです。
ワームはウイルスとは異なり、寄生するファイルは必要とせず、ワーム単独で存在し悪さをします。
また、パソコン内の他のファイルやネットワーク上の他のパソコンにも自己増殖するといった特徴もあり、とてもやっかいなマルウェアです。
ワームとは「青虫などの足のない細長い虫」という意味で、ウイルスとは違い自分で生きることができ、数多く群がっている様子が似ていることからその名が付けられました。
最後に、トロイの木馬です。 - 馬のくせにとろいの?
- ニュアンスとしてはそれほど、間違ってはいません。
トロイの木馬は問題無いソフトを装い、PC内部に侵入するタイプのマルウェアです。
単体でこっそりと動作し、情報を盗んだり、パソコンを外部から遠隔操作できるようにします。
また、ウイルスやワームとは違い、増殖することはありません。 - 大したことなさそう。
- いえいえ、ウイルスやワームはかなり目立つ行動をする分、発見も早く対処がしやすいのですが、トロイの木馬の場合にはこっそりと忍び込んできますので、発見も困難になる場合が多いのでやっかいなのです。
トロイの木馬は、ギリシヤ神話で語られているトロイア戦争で使われた戦術から名前が付けられました。
ある日、ギリシャ軍が大きな木馬を置いて撤退しました。
トロイア軍はその木馬を、自分たちの城の中に持っていったのですが、実はその木馬の中に兵隊が隠れていて、夜寝静まった頃に木馬から出てきて、トロイア軍の城を内部から攻め落とし、戦争にも勝ったという話です。
このように、正常なプログラムと偽って入り込み、こっそりと攻撃する点がよく似ていますよね。 - この名前つけた人、センスがハンパないって!
- さて、今回はマルウェアとその種類について、解説しました。
動画でわかりやすく解説していますので、みなさんも一緒に学んでいきましょう!