【高校情報Ⅰ】プログラミング 変数(データ型、初期化、宣言)|共通テスト完全攻略勉強法_123

  • 前回は、プログラミング言語について説明しました。 プログラミング言語とは、コンピュータへの指示を出すために、私たちにとって書きやすく構成された言語のことです。 このプログラミング言語は、用途や特徴などに分かれた様々な種類がある、というお話しをしましたね。 さて、今回はデータの保管に必要な変数について、詳しく解説していきます。

①変数とは

  • 変数とは何かについては、フローチャートの回で説明していますよ。そのときは「数字を一時的に保管しておく箱のようなものを『変数』と言います。」と説明しましたね。 例として、「値段」という数値データを保管するために変数を使用する方法をご紹介しました。 今回は、実際にプログラミングにおいて、どのように変数を使用するかについて詳しく説明します。

②変数の名前

  • まず始めに、変数に名前をつけます。 変数につける名前のことを「変数名」と言います。 変数名は、箱につけるラベルのようなものです。 この名前は通常英語で表記されます。 例えば、「値段」を表す変数には「price」や「payment」などと名付けることができます。 変数に付ける名前は原則として何でもよく、たとえば「a」や「b」といった単純な変数名でも問題ありません。 しかし、そのような一般的な変数名だと、変数が何を表しているのかが分かりにくいです。 ボックスのラベルに「a」と書いてあるだけでは、中身が何か分かりづらいですよね? また、日本語をローマ字にした「nedan」のような変数名も一応使うことができます。 しかしながら、実際のプログラミングではあまり使われません。
  • なんで?分かりやすくて良いじゃん。
  • 我々が日本人であるから日本語が理解しやすいだけで、実際のIT企業では外国人と共にシステム開発を行うことがよくあります。 そのような状況を考慮して、変数名には世界標準語である英語を使うのが暗黙のルールになっているのです。 さらに、プログラミングにおいては、1文字のミスが大きな問題を引き起こす可能性があります。 例えば、「合計金額」を表す変数の変数名を「gokei」と名付け、後でその変数を利用する際に、Uを1文字多く入れてしまうだけで、エラーが起こります。 ローマ字にはこのような複数の表記方法が存在するため、記述ミスを防ぐためにも英語を使う方が望ましいのです。 しかし! それにも関わらず、なぜかDNCLでは日本語をローマ字にした変数名が使用されています。 情報科目とは、情報社会のルールに則るべきであり、グローバリズムが進む今日の日本では、外国人留学生が日本の大学に進学するために情報の試験を受けることも考えられます。 このような事態を考慮に入れていない人々が試験を作っていると思うと、納得がいきません。 なので、大変解せないところではありますが、ここでの説明もDNCLに準じて、変数名にローマ字を使用するようにします。
  • いつも以上に、心の声が溢れ出ています。

③宣言とデータ型

  • もう一つ、変数を使う際の重要なルールとして、まず宣言をしてから使うという決まりがあります。 宣言とは、食事の前に「いただきます」を言うように、まず準備を整えてから始めることと似ています。 「いただきます」と言ってから食べ始めないと食事のマナーがなっていないと思われるように、宣言をせずに変数を使おうとするとエラーになります。 ただし、最近のプログラミング言語は簡略化が進み、必ずしもこの宣言をしなくても良い言語も増えてきました。 それでも、実際のプログラミングでは、宣言をすることがとても重要です。 例えば、JavaScriptというプログラミング言語では、変数の宣言はこのように行います。
    let nedan = 0;
    ここでの"let"はこの変数を使える範囲を意味しています。 例えば、東京メトロの1日乗車券は東京都内の地下鉄しか使えないという制限があるのと同じように考えていただければわかりやすいでしょう。 ちなみに、"let"の部分を"var"にすることで利用範囲を広げることができます。 また、nedan = 0の部分は、「nedanが0」という意味ではなく、「nedanに0を入れる」という意味になります。 これはプログラミング初心者の方が勘違いしやすい点なので、注意しましょう。 変数に値を入れることを「代入」と呼びます。 まとめると、「nedanという数字用の変数をこれから一定範囲で使い、最初の値には0を代入します」という意味になります。 このように、変数の宣言を行うことで「これからnedanという変数を使うんだ」という共通認識がチーム内で作られ、それがコードの理解度や読みやすさを向上させます。
  • 宣言って大事!
  • 先程もお話しましたが、システム開発はチームで行うものなので、誰が見ても分かりやすい記述はとても重要なのです。 そして、宣言時に最初の値を入れることを「初期化」と言います。この呼び方も覚えておきましょう。 今回の例では数字用の変数としましたが、変数には数字だけでなく文字や小数などの値を入れることもできます。 変数に格納するデータの種類のことを「データ型」と呼びます。 データ型には整数を入れる「整数型」の他に、文字を入れる「文字列型」や、小数を入れる「浮動小数点型」、以前、論理回路で習った真または偽を入れる「ブール型」などがあります。 VBAというプログラミング言語では、宣言する際にデータ型を指定します。先程の例をVBAで記述すると、このようになります。
    Dim nedan As Integer = 0
    この中の"Integer"が「整数型」を意味しています。そして、このnedanという変数には整数以外の値は入れられないという制限が設けられます。 このように、データ型を指定するプログラミング言語も存在することを覚えておきましょう。 ちなみにDNCLでは単純にnedan = 0と記述します。簡単ですね。

まとめ

  1. データを一時的に保管しておく箱のようなものを「変数」と言う。
  2. 変数につける名前のことを「変数名」と言い、通常はその変数を示す分かりやすい名前を英語でつける。
  3. 変数を使うときは、最初に宣言をしてから使う。その際に、最初の値を入れることを初期化と言い、変数に格納するデータの種類をデータ型と呼ぶ。